運動の効果に個人差があるのはなぜ?遺伝と運動の研究
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
同じ運動を同じ期間続けても、体力や体の変わり方には大きな個人差があることが、研究で確かめられています。個人差には遺伝も関わりますが、運動の量や強さ、食事、睡眠の違いも大きく影響します。
ダイエットの遺伝子検査は、運動の効果がどれだけ出るかを予想するものではありません。この記事では、個人差を調べた研究と、検査の結果を運動に使える範囲を説明します。
同じ運動でも、体力の伸び方は人によって違う
運動の効果の個人差を調べた研究でよく知られているのが、HERITAGE Family Study です。Bouchard ら(1999年)は、ふだん運動しない白人の成人481人(98の家族の2世代)に、同じ内容の持久力の運動を20週間続けてもらいました。
| 調べたこと |
結果 |
| 最大酸素摂取量(全身持久力の指標)の伸び |
平均で毎分約400mL |
| 伸び方のばらつき |
ほとんど伸びない人から、毎分1.0Lを超えて伸びる人まで |
| 遺伝で説明できる割合 |
最大で47%と推定 |
同じ家族の人どうしは伸び方が似ていて、家族の間の差は家族の中の差の2.5倍ありました。研究者は、体力の伸びやすさには遺伝の影響が含まれると結論づけています。
同じグループの総説(Bouchard と Rankinen、2001年)によれば、年齢、性別、人種は個人差にあまり影響していません。筋肉の太さの個人差は「筋肉がつきにくい体質とは?遺伝との関係と、つきにくく感じる理由」で紹介しています。
運動の量と強さを上げると、伸びない人が減る
遺伝の影響があっても、運動の量と強さで結果は変わります。
Ross ら(2015年、カナダ)は、お腹まわりに脂肪の多い中年の男女121人に、量と強さの違う3通りの運動を週5回、24週間続けてもらいました。体力が伸びなかった人は、量が少なく強さも低いグループで38.5%、量を増やしたグループで17.6%、量も強さも上げたグループで0%でした。
Montero と Lundby(2017年、スイス)は、健康な成人78人を、1回60分の運動を週1〜5回する5つのグループに分けました。6週間で体力が伸びなかった人は、週1回のグループで69%、週4回と5回のグループで0%でした。伸びなかった人は、週2回分を足してもう6週間続けると、全員の体力が伸びています。
食事と睡眠でも、体の変わり方は違ってくる
体重の変わり方には、食事の影響も加わります。King ら(2008年、英国)は、体重の多い男女35人に、監督のもとで週5回の運動を12週間続けてもらいました。体重の変化は平均で -3.7kg でしたが、一人ひとりを見ると -14.7kg から +1.7kg まで開いています。予想ほど体重が変わらなかった人たちは、1日に食べる量が平均約268kcal増え、空腹感も強くなっていました。
睡眠も関わります。Nedeltcheva ら(2010年、米国)は、体重の多い10人に、食事を控えめにした14日間を、睡眠の機会を8.5時間にする場合と5.5時間にする場合の両方で過ごしてもらいました。5.5時間のほうが、落ちた体脂肪は少なく(8.5時間で1.4kg、5.5時間で0.6kg)、脂肪以外の組織が多く落ちました(8.5時間で1.5kg、5.5時間で2.4kg)。運動ではなく食事を控えた研究ですが、睡眠で体の変わり方が違ってくる例です。
ダイエットの遺伝子検査でわかる範囲
dNAXY neo の検査で調べるのは、肥満に関連するとされる3つの遺伝子(ADRB3、UCP1、ADRB2)です。運動で体力や筋肉がどれだけ伸びるかを予想する検査ではありません。調べる範囲は「遺伝子検査で筋肉のつきやすさはわかる?調べることの範囲」で説明しています。
結果レポートの「運動アドバイス」の章では、遺伝子タイプに応じて、筋トレと有酸素運動の負荷、鍛える部位、おすすめの運動の順位を示します。筋トレの負荷は、主に「たんぱく質(筋肉)」の危険度で決まり、危険度が高い結果ほど重めです。ただ、この項目に使う ADRB2 は、3つの中で根拠が最も弱い項目です。結果の目安は、同じ遺伝子タイプの人に多い傾向に合わせて作られています。
個人差を前提に、量と強さを少しずつ上げる
Ross らと Montero らの研究では、効果が出にくかった人も、量や強さを上げると伸びることが多いという結果でした。結果レポートの有酸素運動のページは、「ややきつい」と感じる強さを勧め、1日の合計が20分以上なら10分ずつに分けてもよいとしています。
アプリの運動メニューは、運動の辞書の100種目(筋トレ40種目、有酸素運動20種目など)から1週間分を組む機能です。週の回数は1〜6回から選べ、続けるほど週ごとに少しずつきつくなり、きつさの上限は検査の結果の運動のタイプで決まります。
dNAXY neo の検査の価格は9,350円(税込・送料込み)です。結果が出た日から30日間は、1週間の献立と運動メニューを使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
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