HMB とクレアチンの違い:成分と研究でわかっていること
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 山本 真帆)
HMB は、必須アミノ酸のロイシンが体の中で変わってできる成分です。クレアチンはアミノ酸から体の中で作られ、ほとんどが筋肉に蓄えられている成分で、肉や魚にも含まれています。
どちらも運動と組み合わせた研究が多い成分で、体重を減らす目的のものではありません。この記事では、2つの成分の違いを、食事からとれる量、研究の対象、とるときの注意の順に比べます。
2つの成分を表で比べる
国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、HMB とクレアチンのそれぞれについて見解をまとめています。HMB は Wilson ら(2013年)、クレアチンは Kreider ら(2017年)です。2つの見解から、違いを表にしました。
| 比べるところ |
HMB |
クレアチン |
| 体の中での作られ方 |
ロイシンの約5%が HMB に変わる |
主に肝臓と腎臓で、アルギニンとグリシンから作られ、約95%が骨格筋にある |
| 食事からとれる量 |
ごくわずか |
1日1〜2gほど |
| 研究で使われた量 |
1日3g(体重1kgあたり38mg) |
1日3〜5gなど |
| 研究が多い場面 |
運動による筋肉の傷みからの回復、筋力 |
短い時間に強い力を出す運動 |
HMB の研究には、効果が見られなかったものもあります。この記事では研究の一つひとつには立ち入らず、クレアチンとの違いに絞って説明します。
食事からとれる量の違い
2つの成分のいちばん大きな違いは、ふつうの食事からとれる量です。
クレアチンは、肉や魚から1日1〜2gほどをとっているとされます。Kreider らの総説は、加熱していない牛肉や鮭は1ポンド(約454g)あたり約1〜2gのクレアチンを含むとしています。dNAXY neo の料理の辞書の牛赤身肉のステーキ(牛もも肉130g)なら、この割合で計算すると約0.3〜0.6gです。詳しい計算は「クレアチンとは?食べ物に含まれる量と、研究でわかっていること」に載せています。
HMB は、食べたロイシンの約5%からしかできません。Wilson らの見解は、研究で使われる1日3gの HMB を体の中で作るには、ロイシンが60g要り、良質のたんぱく質に換算すると600g以上を食べる計算になるとしています。料理の辞書の値でいうと、次のとおりです。
| 料理(1人分) |
エネルギー |
たんぱく質 |
600gに届くまで |
| 牛赤身肉のステーキ |
299kcal |
27.6g |
約22皿 |
| まぐろのステーキ |
171kcal |
29.9g |
約21皿 |
クレアチンの研究で使われた1日3〜5gは、食事でとっている1〜2gより多いものの、桁は同じです。HMB は、食事だけで研究の量に届かせることはできません。
研究の対象と、体重との関係
Kreider らの総説によると、クレアチンのサプリメントは筋肉の中のクレアチンを増やします。その増加が、短い時間の強い運動の成績の向上につながった可能性がある、というのが総説の見方です。体重については、むしろ増える方向の報告があり、研究で一貫して報告されている副作用は体重の増加だけ、とまとめています。
HMB について ISSN の見解は、運動による筋肉の傷みからの回復と、適切な運動と組み合わせたときの筋力や筋肉量を中心に述べています。体脂肪については、決まった運動のプログラムと組み合わせると、より大きく減る可能性がある、という書き方です。
どちらの見解も、運動をしている人を対象にした研究が中心です。体重を減らすことだけを目的に、2つの成分のどちらかを選ぶ根拠にはなりません。
とるときの注意の違い
クレアチンは、とり始めの時期に体の水分が増えて、体重が増えることがあります。体重の記録は、その分を考えに入れて見てください。腎臓について Kreider らの総説は、健康な人で悪い影響を示す確かな証拠はない、という立場です。腎臓の病気がある人は、とる前に医師に相談してください。
HMB について ISSN の見解は、若い人にも高齢の人にも、続けてとって安全だとしています。HMB には、カルシウムと結びついた形と、結びついていない形があります。研究の多くは、カルシウムと結びついた形で行われました。
どちらも、商品の表示で1回分の量とほかに入っている成分を確かめてください。持病のある人、妊娠中や授乳中の人、薬を飲んでいる人は、医師か薬剤師に相談してください。
まず食事のたんぱく質を整える
筋肉を保つために食事でできるのは、1日のたんぱく質を目安の量まで届かせることです。dNAXY neo の結果レポートの「栄養の知識」の章には、「タンパク質について」の節があります。この節では、筋肉の付きにくさの危険度ごとに、1日にとりたいたんぱく質の量を示しています。
| 筋肉の付きにくさ |
1日のたんぱく質の目安 |
| 危険度1 |
体重×1.5〜1.75g |
| 危険度2 |
体重×1.75〜2g |
| 危険度3 |
体重×2〜2.5g |
結果レポートが挙げているのは、食事で足りない分をプロテインで補う方法です。HMB とクレアチンについての記載はありません。検査で調べる3つの遺伝子と、HMB やクレアチンのとり方を結びつけた研究もありません。体重からの計算は「体重からたんぱく質の目安を計算する:危険度ごとの倍率」にまとめています。
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出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 山本 真帆(食事・ライフスタイル)
食事と暮らしの記事を担当します。コンビニや外食も含めて、毎日の食事を選ぶときの目安を、料理のカロリーと栄養の数字とあわせて紹介します。
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