時計遺伝子と食事:食べる時間と体重の関係を研究で見る
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
時計遺伝子は、睡眠や体温、ホルモンの分泌など、体の約24時間のリズムをつくる遺伝子です。食べる時間と体重の関係は研究されていますが、時計遺伝子だけで説明できるわけではありません。
dNAXY neo の検査では、時計遺伝子は調べません。この記事では、時計遺伝子の働きと、食べる時間と体重の研究でわかっていることを紹介します。
時計遺伝子とは
人の体温やホルモンの分泌は、約24時間の周期で上がり下がりします。このリズムが概日リズム(サーカディアンリズム)です。厚生労働省の e-ヘルスネットの用語解説「体内時計」によると、体内時計は脳の視床下部の視交叉上核にあります。
体内時計の細胞では、いくつかの遺伝子が時計のたんぱく質を作ります。そのたんぱく質が結びついたり分解されたりを約24時間の周期でくり返し、そこからリズムの信号が生まれるという説明です。このたんぱく質を作る遺伝子を、時計遺伝子と呼びます。
2017年のノーベル生理学・医学賞は、このしくみを明らかにした Hall、Rosbash、Young の3人に贈られました。ノーベル賞の発表文によると、3人はショウジョウバエで period という遺伝子を取り出しました。この遺伝子から作られる PER というたんぱく質は、夜のあいだに細胞にたまり、昼のあいだに分解されます。発表文は、体内時計が行動、ホルモン、睡眠、体温、代謝の働きを調節しているとしています。
人の体内時計は、光で毎日合わせ直す
e-ヘルスネットによると、人の体内時計の周期は24時間より少し長めです。そのため体は、外の明るさの変化に体内時計を合わせる仕組みを持っています。朝の強い光は体内時計を早める方向に、夜の光は遅らせる方向に働きます。
食事の時刻と体内時計の関係も、研究されてきました。朝食が体内時計の調整に役立つという厚生労働省の資料は、「体重管理のための朝の習慣。起きてから家を出るまでの流れ」で紹介しました。
食べる時間と体重の研究
食べる時間と体重の関係を調べた研究に、スペインの研究グループの報告があります(Garaulet ら、2013年)。体重を減らす20週間の取り組みに参加した420人を、1日で最も多く食べる食事の時刻で2つに分けました。この地域では、最も多く食べる食事は昼食です。
| 比べたこと |
結果 |
| 体重の減り方 |
15時より遅く昼食をとる人は、早くとる人より減り方が小さく、遅い |
| 食べた量、栄養の中身、睡眠時間 |
2つの集団でほぼ同じ |
| 朝食 |
遅い人は、朝食が少なめで、朝食を抜くことも多い |
| 時計遺伝子(CLOCK)の型 |
食事の時刻とは関連したが、体重の減り方との関連は見られない |
この研究では、時計遺伝子の CLOCK の型は、食べる時刻と関連していました。一方で、体重の減り方と関連したのは食べる時刻で、CLOCK の型だけを見たときには体重の減り方との関連は見られませんでした。
また、この研究は、参加した人がもともと食べていた時刻を比べたものです。食べる時刻を決めて割り振った試験ではないので、食べる時刻が体重の差の原因だとまでは言えません。この違いは「相関関係と因果関係の違い:遺伝子と体重の研究で気をつけること」で説明しています。夕食を何時までに食べるかは「夕食は何時までに食べる?寝る時間から考える目安」を見てください。
dNAXY neo の検査と、朝・昼・夕の献立
dNAXY neo の検査で調べるのは、肥満に関連するとされる3つの遺伝子(ADRB3、UCP1、ADRB2)の型です。結果は、糖質、脂質、たんぱく質(筋肉)の項目ごとに危険度1〜3で出ます。時計遺伝子は調べないので、朝型か夜型かは結果に出ません。
結果が出た日から30日間は、アプリの1週間の献立を使えます。献立は、同じ遺伝子タイプの人に多い傾向に合わせて、7日分を朝・昼・夕で組みます。献立に使う料理の辞書の485品のうち、129品は朝食に向く料理です。
| 区分 |
朝食に向く料理の数 |
例(1人分) |
| 主食 |
33品 |
ごはん 234kcal、トースト 149kcal |
| 主菜 |
17品 |
鮭の塩焼き 152kcal、目玉焼き 96kcal |
| 副菜 |
34品 |
納豆 86kcal、ほうれん草のおひたし 17kcal |
| 汁物 |
27品 |
豆腐とわかめの味噌汁 44kcal |
| 間食 |
18品 |
ヨーグルト 56kcal、バナナ 93kcal |
たとえば、ごはん、鮭の塩焼き、豆腐とわかめの味噌汁の組み合わせは、合わせて430kcal、たんぱく質25.7gです。
検査の価格は9,350円(税込・送料込み)で、検体の到着から約2週間で結果レポートがマイページで開けるようになります。
出典
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「体内時計」
- The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2017, Press release(Nobel Assembly at Karolinska Institutet)
- Garaulet M, et al. Int J Obes (Lond). 2013;37(4):604-11.(PubMed 23357955)
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
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