相関関係と因果関係の違い:遺伝子と体重の研究で気をつけること
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
「遺伝子と体重に関連がある」という研究の言葉は、その遺伝子の型を持つ人に体重の重い人が多かった、という意味です。関連(相関関係)は一緒に起きやすいことを表し、型が体重を決める原因だとまでは示していません。
この記事では、相関関係と因果関係の違いを、dNAXY neo の「検査結果の根拠」のページに載せた研究を例に説明します。
相関関係と因果関係の違い
総務省統計局の「なるほど統計学園」は、2つの言葉を次のように分けています。
| 言葉 |
意味 |
| 相関関係 |
どちらかの数値が増える(減る)と、それに比例して他方の数値も増える(減る)関係 |
| 因果関係 |
どちらかが原因となって、もう一方が起こる関係 |
同じページの例は、働く人の血圧と給料です。年齢が高い人ほど血圧が高く、給料も高いので、血圧と給料の間には関係が見えます。それでも、血圧を高くすれば給料が上がるわけではありません。2つの数値を一緒に動かしていたのは、年齢という3つ目の要因です。
一緒に起きやすくても、原因とは限らない理由
2つのことに相関が見られても、因果関係とは限らない理由は、主に3つあります。
- 3つ目の要因が、両方を動かしている(血圧と給料の年齢)
- 原因と結果が逆になっている
- 偶然、差が出た
統計局の別のページは、まったく関係のない数値どうしでも、偶然に関係があるような数字が出ることがあると説明しています。これが「見せかけの相関」です。
遺伝子の研究で、ほかの要因が混ざるとき
遺伝子の型は生まれつきで、体重が増えても型は変わりません。そのため、遺伝子の研究では2の「原因と結果が逆」は起きにくいと考えられます。一方で、1と3は遺伝子の研究でも起こります。3の偶然の差は、人数の少ない研究ほど出やすく、詳しくは「研究の人数は何人あれば十分?37人から6,582人までの研究」で扱います。ここでは1の例を3つ見ます。
食べる量が結果を左右する
日本人男性295人の研究(Miyaki ら、2005年)では、ADRB3 の型を持つ人と持たない人で比べると、肥満の人の割合に差はありませんでした。食べる量が多い人に限って見ると、型を持つ人に肥満の人が多かったと報告されています。型と体重の関係は、食べる量という別の要因によって見え方が変わったことになります。
集めた人の違いが混ざる
ADRB3 の型を持つ人の割合は、人種によって違います(Kurokawa ら、2001年の考察)。型を持つ人の割合も、ふだんの食事も違う集団をひとまとめにして比べると、食事の違いによる体重の差が、型の差のように見えるおそれがあります。日本人だけを対象にした研究では、この混ざり方は起きにくいと考えられます。
家族の体型が似る
家族の体型が似ていても、遺伝子だけが理由とは言えません。dNAXY neo の結果レポートの「遺伝子検査について」の章では、家族に体型の似た人が多いことについて、生活習慣や食習慣が近いことも挙げています。章の中には「遺伝的要因 + 環境的要因 = 現在のあなた」という囲みがあります。
根拠のページの「関連あり」「条件つき」「関連なし」
根拠のページの表で、研究ごとの結果を分ける区分は3つです。日本人の11本の研究の内訳は次のとおりです。
| 結果 |
本数 |
意味 |
| 関連あり |
4本 |
型を持つ人で、BMI や体重の変化に差が見られた |
| 条件つき |
3本 |
食べる量や、ほかの遺伝子の型と組み合わさったときに差が見られた |
| 関連なし |
4本 |
型の有無で差が見られなかった |
「関連あり」も、因果関係を確かめた結果ではありません。型を持つ人の集団で平均すると差があった、という意味です。条件つきの研究は、型の影響がほかの要因と重なって見えることを示しています。関連なしの研究の読み方は「関連を認めなかった研究も載せる理由:根拠のページの読み方」で詳しく扱っています。
因果関係に近づくには、くじで分けた試験を見る
原因を確かめるには、ほかの要因をそろえて比べなければなりません。その方法の1つが、参加者をくじでグループに分ける無作為化試験です。遺伝子の型そのものはくじで割り当てられないので、遺伝子の研究では、食事法をくじで分けてから、型ごとに結果を比べた試験があります。研究の種類の違いは「観察研究と介入研究の違い:遺伝子と体重の研究の種類を知る」で説明しています。
関連を、食事を選ぶ目安として使う
dNAXY neo の検査の結果は、糖質(ADRB3)、たんぱく質(筋肉)(ADRB2)、脂質(UCP1)の3つの項目ごとの危険度1〜3です。危険度は、研究で関連が報告された型をどう持つかで決まる目安です。体重が増えた原因を言い当てるものとして、dNAXY neo は危険度を使っていません。糖質と脂質のどちらを先に控えるかで迷ったときに、選ぶ手がかりとして使ってください。
価格は9,350円(税込・送料込み)で、検体の到着から約2週間で結果レポートが開けます。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定を使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
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