トップ 読みもの 遺伝子 研究と根拠 研究の読み方 栄養遺伝学とは? 遺伝子と 食事の 研究は どこまで 進んだか 2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹 )
栄養遺伝学 (ニュートリジェネティクス)は、 遺伝子の 違いに よって、 食事への 体の 反応が どう 変わるかを 調べる 分野です。 遺伝子の タイプで 食事法を 分けた 大きな 無作為化試験では、 体重の 減り方に 差は 見られず、 遺伝子に 合わせた 食事は 研究の 途中に あります。
この 記事では、 栄養遺伝学の 意味と、 遺伝子と 食事の 研究で 今わかっている ことを、 論文の 抄録を もとに まとめました。
栄養遺伝学と ニュートリゲノミクス
遺伝子と 食事の 研究は、 向きの 違う 2つの 分野に 分かれています。 2011年の 総説 (Fenech ら、 J Nutrigenet Nutrigenomics)は、 2つを 次のように 定義しています。
分野
調べる こと
向き
栄養遺伝学 (ニュートリジェネティクス)
遺伝子の 違いが、 食事への 反応に 与える 影響
遺伝子 → 食事への 反応
ニュートリゲノミクス
栄養素や 食品の 成分が、 遺伝子のは たらき方に 与える 影響
食事 → 遺伝子のは たらき
ダイエットの 遺伝子検査の 根拠に なるのは、 栄養遺伝学の 研究です。 同じ ものを 食べた ときに、 遺伝子の 型に よって 体重の 変わり方が 違うかを 調べる 研究が これに あたります。 食事で 遺伝子のは たらき方が 変わる 話は 「 遺伝子は 後天的に 変わる? 変わる ものと 変わらない もの 」で 扱っています。
研究は 「関連」から 「試験」へ
栄養遺伝学の 研究の 多くは、 型と 体重の 関連を 調べる 観察研究です。 dNAXY neo の 「 検査結果の 根拠 」の ページにも、 その 種類の 研究が 並んでいます。 たとえば 日本人男性295人の 研究 (Miyaki ら、 2005年)では、 ADRB3 の 型だけでは 肥満の 割合に 差は なく、 食べる 量が 最も 多い グループでだけ、 型を 持つ人に 肥満の 人が 多く 見られました。 型と 食べる 量の 組み合わせを 見るのも、 栄養遺伝学の 問いの 1つです。
関連が 見つかったら、 次は 「型に 合わせて 食事を 変えると、 結果が よくなるか」を 試験で 確かめる 段階です。 ここでは、 この 段階の 大きな 無作為化試験を 2つ 紹介します。
遺伝子で 食事法を 分けた 試験:米国の 成人609人
DIETFITS 試験 (Gardner ら、 JAMA 2018年)は、 米国の 18〜50歳の 成人609人を、 低脂肪食と 低炭水化物食に くじで 分け、 12か月の 体重の 変化を 比べました。 研究者は、 PPARG、 ADRB2、 FABP2 の 3つの 遺伝子の 型の 組み合わせで、 参加者を 「低脂肪食が 合うと される タイプ」と 「低炭水化物食が 合うと される タイプ」にも 分けていました。
結果は、 どちらの 食事法でも 体重の 減り方は ほぼ同じでした。 遺伝子の タイプと 食事法の 組み合わせでも、 差は 見られていません。 試験の 細かい 方法は 「 遺伝子で 食事法を 選んでも 差が なかった 試験:609人の 12か 月 」に まとめています。
遺伝子の 情報を 足した 助言の 試験:欧州7か 国
Food4Me 試験 (Celis-Morales ら、 Int J Epidemiol 2017年)は、 欧州7か国の 成人を インターネットで 募集し、 くじで 4つの グループに 分けました。
グループ
助言のもと
1
一般的な 食事の 助言
2
本人の 今の 食事
3
本人の 今の 食事と、 体の 測定値や 血液の 値
4
3に 加えて、 食事への 反応に 関わる 5つの 遺伝子の 型
最後まで 参加したのは 1,269人で、 期間は 6か月です。 2〜4の 個別の 助言を 受けた 人は、 一般的な 助言を 受けた 人より、 赤肉 (牛肉や 豚肉など)と 飽和脂肪酸を とる量が 減り、 食事の 質の 点数が 上がりました。 一方で、 測定値や 遺伝子の 型を 足しても、 助言の 効果が さらに 上がった 証拠は 見られませんでした。
専門家の 団体の 見方
米国の 栄養士の 団体 Academy of Nutrition and Dietetics は、 2014年の 声明で 次の 立場を とっています。 栄養ゲノム科学 (nutritional genomics)は、 食事と 遺伝子の 組み合わせが 体に どう 表れるかを 知る 手が かりに なる。 ただし、 遺伝子検査で 食事の 助言を する ことは、 まだ 日常の 栄養指導で 使える 段階に ない、と いう 立場です。
今の 研究で 言える こと
ここまでの 資料を 合わせると、 今の 研究で 言える 範囲は 3つです。 遺伝子の 型と 体重には、 集団で 平均すると 小さな 関連が あります。 型に 合わせて 食事法を 選んでも、 体重が より 減るとは 示されていません。 個別の 助言 その ものには、 食べ方を 変える 効果が 見られた 試験が あります。
dNAXY neo も、 この 範囲で 遺伝子タイプを 使います。 結果レポートの 糖質、 たんぱく質 (筋肉)、 脂質の 危険度1〜3は、 体重の 減り方を 約束する ものではありません。 糖質と 脂質の どちらを 先に 控えるかを 選ぶ目安です。 研究の 範囲での 使い方は 「 遺伝子検査ダイエットの 信憑性:研究で 言える こと、 言えない こと 」でも 説明しています。
結果が 出た 日から 30日間は、 遺伝子タイプに 合わせた 1週間の 献立に 加えて、 食べる 前の 料理名や 写真から、 その 食事が 目安に 合うかを 判定する 機能も 使えます。 検査の 価格は 9,350円 (税込・ 送料込み)で、 結果レポートが 開けるのは 検体の 到着から 約2週間後です。
出典
文責
dNAXY neo 編集部 (株式会社tatepass)
担当ペルソナ: 佐々 木 英樹 (遺伝子検査)
遺伝子と 遺伝子検査の 記事を 担当します。 検査で わかる ことと わからない ことを 分けて、 根拠の 研究と あわせて 説明します。
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