関連を認めなかった研究も載せる理由:根拠のページの読み方
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
遺伝子と体重の関連を認めなかった研究は、dNAXY neo が調べる3つの遺伝子のすべてにあります。ADRB3 では37人に6か月の介入をした研究、UCP1 では若い男性349人の研究、ADRB2 では日本人4,193人と男性210人の研究で、関連が見られませんでした。
「検査結果の根拠」のページには、関連を認めた研究と並べて、この4本も載せています。並べて読むと、根拠の強さが遺伝子ごとに違うことがわかるからです。
関連を認めなかった4本の研究
根拠のページで「関連なし」としている研究は、次の4本です。
| 遺伝子(項目) |
対象 |
見られなかったこと |
| ADRB3(糖質) |
中年の日本人37人 |
6か月の食事と運動の介入で、型の有無による体重の減り方の差 |
| UCP1(脂質) |
若い日本人男性349人 |
型と BMI との関連 |
| ADRB2(たんぱく質(筋肉)) |
日本人4,193人 |
型だけでの、BMI や肥満との関連 |
| ADRB2(たんぱく質(筋肉)) |
日本人男性210人 |
型と肥満との関連 |
ADRB3:6か月の介入で、体重の減り方に差がなかった
ADRB3 の Trp64Arg という型について、2008年に報告された研究です(Kuriyama ら)。中年の日本人37人(この型を持つ人12人、持たない人25人)に、6か月の食事と運動の介入をしました。
6か月の体重の変化は、型を持つ人で平均 -2.52kg、持たない人で -1.89kg でした。2つの群の差は、統計的に意味のある差ではありませんでした。
同じ ADRB3 では、日本人6,582人のデータをまとめた解析で、この型を持つ人の BMI が平均 0.26 kg/m² 高いという報告があります。12週間や3か月の減量の研究では、型を持つ人の体重が減りにくかったという結果も出ました。どの研究も対象は数十人で、減量のしやすさについては結果が分かれたままです。
UCP1:若い男性349人で、BMI との関連がなかった
UCP1 の -3826A>G という型について、2001年に報告された研究です(Shihara ら)。対象は、平均20.4歳の健康な日本人男性349人でした。
主な目的は型と自律神経のはたらきの関係を調べることで、あわせて測った BMI は、UCP1 の型とも ADRB3 の型とも関連が見られませんでした。
UCP1 では、日本人女性312人の研究で、型を持つ閉経前の女性は BMI と4年間の体重の増え方が大きかったと報告されています。
ADRB2:4,193人と210人の研究で、関連がなかった
ADRB2 の Arg16Gly という型には、関連を認めなかった研究が2本あります。
1本は、2011年に報告された日本人4,193人の研究です(Pereira ら)。対象は糖尿病のない中高年で、女性1,911人と男性2,282人でした。BMI 25以上になる割合などを調べ、ADRB2 の型だけでは統計的に意味のある関連は見られませんでした。別の遺伝子(LEPR)の型と組み合わせたときの関連は、男性でだけ見られています。
もう1本は、2000年に報告された日本人男性210人の研究です(Hayakawa ら)。Arg16Gly と、近くにある Gln27Glu という型を調べ、どちらも肥満との関連は見られませんでした。
ADRB2 は、根拠のページに載せた3本のうち2本が「関連なし」、残る1本がほかの遺伝子と組み合わせたときの「条件つき」です。3つの遺伝子の中で、根拠が最も弱い項目です。
並べて読むと、根拠の強さの違いがわかる
関連を認めた研究だけを並べると、3つの遺伝子がどれも同じくらい確かに見えるでしょう。関連を認めなかった研究も一緒に載せれば、遺伝子ごとの違いが表で比べられます。
ADRB3 は、6,582人の解析で BMI の小さな差が報告され、減量のしやすさは研究によって結果が分かれています。UCP1 は、閉経前の女性で関連があり、若い男性では関連が見られませんでした。ADRB2 は、4,193人の大きな研究でも、型だけでの関連は出ていません。
研究によって結果が分かれる背景には、対象の人数、年齢、性別、期間の違いが考えられます。遺伝子の型に合わせた食事法を試した米国の609人の無作為化試験でも、体重の減り方に差は出ていません。研究の種類ごとに言えることは「遺伝子検査ダイエットの信憑性:研究で言えること、言えないこと」で説明しています。
結果レポートを読むときに
dNAXY neo の結果レポートでは、ADRB3 を糖質、UCP1 を脂質、ADRB2 をたんぱく質(筋肉)の項目に使い、それぞれ危険度1〜3を出します。どの項目も、体重の変化を約束するものではありません。糖質と脂質のどちらを先に控えるか、たんぱく質をどれだけとるかを決めるときの目安です。
たんぱく質(筋肉)の項目は、根拠が最も弱いことを踏まえて読んでください。
検査の価格は9,350円(税込・送料込み)で、検体の到着から約2週間で結果が出ます。結果レポートの一例は「結果レポートのサンプル」で見られます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
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