観察研究と介入研究の違い:遺伝子と体重の研究の種類を知る
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
観察研究は、研究者が手を加えずに、もともとの違い(遺伝子の型や食べる量など)と体重の関係を調べる研究です。介入研究は、研究者が食事や運動の指導などを行い、そのあとの体重の変化を比べる研究です。
dNAXY neo の「検査結果の根拠」のページには、両方の種類の研究があります。この記事では、日本人男性295人の観察研究と、女性76人の介入研究を例に、2つの違いと結果の読み方を説明します。
観察研究は、もともとの違いを調べる
観察研究では、研究者は参加者の生活に手を加えません。今の体重や食べている量を測り、遺伝子の型を調べて、その関係を見ます。
例として、日本人男性295人の研究(Miyaki ら、2005年)を見ます。対象は化学工業の会社で集めた健康な男性で、平均46歳です。1日に食べる量は質問票で答えてもらい、ADRB3 の Trp64Arg という型を調べました。
結果は2段階でした。型を持つ人と持たない人で比べると、ウエストと BMI に差はありませんでした。食べる量で4つのグループに分けると、いちばん多いグループでだけ、型を持つ人に肥満の人の割合が高かったと報告されています。
観察研究からわかるのは「一緒に見られた」という関係までです。食べる量は本人の答えで、ほかの生活の違いも混ざります。型が体重の差を生んだとまでは言えません。
介入研究は、指導をしてその後の変化を比べる
介入研究では、研究者が参加者に何かを行います。食事や運動の指導をして、決めた期間のあとで体重がどう変わったかを比べます。
次の例は、閉経前後の日本人女性76人の研究(Shiwaku ら、2003年)です。全員が3か月間、食事と運動を組み合わせたプログラムを受けました。研究者は、ADRB3 の型を持つ人と持たない人で、体重の変化を比べています。
| 比べたこと |
型を持たない人 |
型を持つ人 |
| 体重が減った人の割合 |
69% |
48% |
| 3か月の体重の変化 |
-0.74kg |
-0.01kg |
型を持つ人は体重が減りにくかった、というのが研究者のまとめです。始める前の BMI や体脂肪には、2つのグループで差がありませんでした。
この研究で研究者が割り当てたのはプログラムだけで、型は生まれつきのものです。型を持つ人と持たない人の間に、ほかの違いが残る可能性があります。同じ ADRB3 の型でも、中年の日本人37人に6か月の食事と運動の介入をした研究(Kuriyama ら、2008年)では、体重の減り方に差は見られませんでした。
介入研究の中で、くじで振り分けるのが無作為化試験
介入研究のうち、参加者をくじで方法ごとのグループに振り分けるものを無作為化試験と呼びます。根拠のページでは、米国の成人609人を低脂肪食と低炭水化物食に振り分けた試験(Gardner ら、2018年)がこれにあたります。しくみは「無作為化比較試験(RCT)とは?わかりやすく、遺伝子の研究を例に」で説明しています。
根拠のページの研究を種類で分ける
根拠のページの12本を、PubMed の抄録で確かめて分けると次のとおりです。1本は抄録のない短報なので、表には入れていません。
| 種類 |
本数 |
研究の例 |
| 観察研究 |
6本 |
男性295人、女性312人、若い男性349人、4,193人 など |
| 観察研究をまとめた解析 |
1本 |
35の研究グループの6,582人 |
| 介入研究(同じ指導を受けた人を型で比べる) |
3本 |
女性61人、女性76人、中年の37人 |
| 無作為化試験 |
1本 |
米国の成人609人 |
観察研究は人数を集めやすく、数百〜数千人の研究が並びます。介入研究は指導の手間がかかるので、37〜76人と少ない人数です。人数が少ないと、偶然の差が結果に出やすくなります。
2つの種類を合わせて読む
観察研究で関連が見られても、介入研究で同じ差が出るとは限りません。読むときは、研究の種類と人数をあわせて見てください。
Miyaki らの研究では、型の影響は食べる量が多いグループでだけ見られました。食べる量は、遺伝子タイプにかかわらず自分で変えられるところです。料理の辞書の1人分の値で、昼食によく選ばれる一品を比べます。
| 料理 |
エネルギー |
脂質 |
炭水化物 |
| 牛丼 |
701kcal |
32.2g |
90.3g |
| 親子丼 |
598kcal |
16.7g |
88.1g |
| 天ぷらそば |
466kcal |
11.0g |
73.8g |
dNAXY neo の検査で調べるのは ADRB3 を含む3つの遺伝子で、結果は糖質、たんぱく質(筋肉)、脂質の項目ごとの危険度1〜3です。価格は9,350円(税込・送料込み)で、検体の到着から約2週間で結果レポートが開けます。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定を使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
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