遺伝子とは何か、簡単に:体の部品を作る設計図のはたらき
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
遺伝子は、体の中で使うたんぱく質の作り方を書いた情報です。遺伝子をもとに作られたたんぱく質が、合図を受け取る受容体や、化学反応を進める酵素などとしてはたらき、体を動かしています。
dNAXY neo の結果レポートの「遺伝子検査について」の章では、遺伝子を「身体をつくるための設計図」にたとえています。設計図に書いてあるのは、どのたんぱく質を、いつ、どこで、どれだけ作るかです。この記事では、設計図からたんぱく質ができる流れと、検査で調べる3つの遺伝子が作るたんぱく質を説明します。
遺伝子からたんぱく質ができるまで
遺伝子は DNA の一部で、中身は4種類の塩基の並びです。DNA、遺伝子、染色体の関係は「DNA・遺伝子・染色体・ゲノムの違いをわかりやすく」にまとめています。
米国国立医学図書館の MedlinePlus によると、遺伝子からたんぱく質ができるまでは2つの段階に分かれます。
| 段階 |
起きること |
| 1. 転写 |
細胞の核の中で、遺伝子の情報を RNA という似た物質に写す。写した RNA(メッセンジャー RNA)が核の外へ出る |
| 2. 翻訳 |
リボソームという粒が RNA の並びを3文字ずつ読み、1組ごとに1つのアミノ酸をつなげていく。終わりの印まで来ると、たんぱく質ができあがる |
DNA から RNA へ、RNA からたんぱく質へと情報が流れるこの順番は、分子生物学の基本の考え方で、セントラルドグマという名前です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸の鎖
たんぱく質は、アミノ酸が数百から数千個つながった鎖です。アミノ酸は20種類あり、その並び順でたんぱく質の形とはたらきが決まります。遺伝子に書いてあるのは、このアミノ酸の並び順です。
食事でとるたんぱく質も、消化されるとアミノ酸に分かれます。体はそのアミノ酸を材料にして、遺伝子の情報どおりに自分のたんぱく質を作り直します。料理の辞書の1人分の値では、たんぱく質は鮭の塩焼きで18.1g、冷奴で8.8g、ゆで卵で6.1gです。食べた鮭のたんぱく質も、いったんアミノ酸に分かれてから、筋肉などの材料に使われます。
たんぱく質の主な役目
MedlinePlus は、たんぱく質の役目を5つに分けて説明しています。
| 役目 |
はたらきの例 |
| 抗体 |
ウイルスや細菌などにくっつき、体を守る |
| 酵素 |
細胞の中で起きる数千の化学反応のほとんどを進める |
| 合図を伝える |
細胞や臓器のあいだで合図を伝え、はたらきをそろえる |
| 体の構造 |
細胞を支え、体が動けるようにする |
| 運ぶ・ためる |
小さな分子をつかまえ、細胞の中や体中へ運ぶ |
このほかに、細胞の表面などで合図を受け取る受容体もたんぱく質です。体の中の多くの仕事は、こうしたたんぱく質が受け持っています。
検査で調べる3つの遺伝子が作るたんぱく質
dNAXY neo の検査で調べる3つの遺伝子も、それぞれ1つのたんぱく質の作り方を持っています。米国国立生物工学情報センター(NCBI)の遺伝子データベースの説明をもとに表にしました。
| 遺伝子 |
作るたんぱく質 |
主なはたらき |
結果レポートの項目 |
| ADRB3 |
β3アドレナリン受容体 |
主に脂肪組織にあり、脂肪の分解と熱を作るはたらきの調節に関わる |
糖質での太りやすさ |
| UCP1 |
脱共役タンパク質1 |
褐色脂肪組織だけで作られ、エネルギーを熱として出す |
脂質での太りやすさ |
| ADRB2 |
β2アドレナリン受容体 |
アドレナリンなどの合図を受け取る受容体の1つ |
筋肉の付きにくさ |
ADRB3 と ADRB2 が作るのは、アドレナリンやノルアドレナリンの合図を受け取る受容体です。UCP1 が作るのは、ミトコンドリアの中で、本来なら ATP というエネルギーの形にする分を熱に変えるたんぱく質です。
並びの違いが、たんぱく質の違いになる
遺伝子の並びには、人によって1文字違う場所があります。その違いで、作られるたんぱく質のアミノ酸が1つ変わることもあります。ADRB3 の Trp64Arg がその例で、受容体の64番目のアミノ酸がトリプトファン(Trp)になるか、アルギニン(Arg)になるかの違いです。UCP1 で調べる違いの場所は、遺伝子の始まりより手前の、遺伝子のはたらきの強さを調節する部分です。
こうした違いと体重の関係を調べた研究では、集団で平均したときの小さな差が報告されています。関連を認めなかった研究もあり、1つの遺伝子のはたらきから、その人の体重の変わり方は決まりません。研究の一覧は「検査結果の根拠」のページに載せています。遺伝子ごとの詳しい説明は「ADRB3(β3アドレナリン受容体)遺伝子とは?肥満との関係」「UCP1 遺伝子とは?熱をつくるたんぱく質のはたらき」「ADRB2(β2アドレナリン受容体)遺伝子とは?肥満との関係」にあります。
3つの遺伝子のタイプを調べるには
dNAXY neo の検査は、綿棒で頬の内側をこすって送る方式です。検体の到着から約2週間で、糖質、脂質、たんぱく質(筋肉)の3つの項目の危険度が結果レポートに載ります。価格は9,350円(税込・送料込み)です。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定を使えます。結果レポートの一例は「結果レポートのサンプル」で見られます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
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