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ADRB3(β3アドレナリン受容体)遺伝子とは?肥満との関係

2026年10月6日

ADRB3 は、β3アドレナリン受容体という、脂肪の分解や熱を作る合図を受け取る受容体の遺伝子です。日本人の研究をまとめた解析では、Trp64Arg という型を持つ人の BMI がわずかに高い傾向がありましたが、減量のしやすさとの関係は研究によって結果が分かれています。

ADRB3 遺伝子が作る受容体

米国国立生物工学情報センター(NCBI)の遺伝子データベース(Gene)では、ADRB3 遺伝子の場所は8番染色体です。作られる受容体は主に脂肪組織にあり、脂肪の分解と熱を作る働きの調節に関わります。交感神経から出るノルアドレナリンなどの合図がこの受容体に届くと、脂肪細胞にためた中性脂肪が分解されます。

Trp64Arg(rs4994)という型

ADRB3 でよく研究されている個人差は、受容体の64番目のアミノ酸の違いです。多くの人はトリプトファン(Trp)ですが、アルギニン(Arg)に置き換わった人がいます。この型の名前が Trp64Arg で、dbSNP の番号は rs4994 です。

dbSNP に載っている日本人の集団のデータ(38KJPN)では、Arg の並びは全体の約19%でした。人は遺伝子を父と母から1本ずつ受け継ぐので、組み合わせは3通りです。dNAXY neo の結果レポートでは、Arg の並びを持つ数で「糖質での太りやすさ」の危険度が決まります。

遺伝子の型 糖質での太りやすさ 糖質の食事の目安
Trp/Trp 危険度1 いつもどおり
Trp/Arg 危険度2 ややひかえめ
Arg/Arg 危険度3 ひかえめ

日本人を対象にした5つの研究

「検査結果の根拠」のページに載せた日本人の5つの研究を、PubMed の抄録で確かめました。

研究 対象 結果
Kurokawa ら(2001年) 35の研究グループ、計6,582人 この型を持つ人の BMI が平均 0.26 kg/m² 高かった
Sakane ら(1997年) 肥満の2型糖尿病の女性61人 12週間の減量プログラムで、この型を持つ人は体重の変化が小さかった
Shiwaku ら(2003年) 閉経前後の女性76人 3か月の食事と運動の指導で、この型を持つ人は体重が減りにくかった
Miyaki ら(2005年) 男性295人 この型だけでは差がなく、摂取エネルギーが多い人でだけ肥満の割合が高かった
Kuriyama ら(2008年) 中年の37人 6か月の食事と運動の介入で、体重の変化に差はなかった

BMI の差は平均 0.26 kg/m²

Kurokawa らの解析は、この型を持つ2,316人と持たない4,266人のデータをまとめたものです。BMI の差は平均 0.26 kg/m²(95%信頼区間 0.18〜0.42)でした。身長170cmの人なら体重で約0.75kgの差にあたり、この型の有無で体型がはっきり分かれるほどの幅ではありません。

減量のしやすさは研究によって分かれる

減量の研究は対象が数十人と少なく、結果もそろっていません。Shiwaku らの研究では、3か月の体重の変化が、この型を持たない人で平均 -0.74kg、持つ人で -0.01kg でした。一方、Kuriyama らの研究では、6か月の変化が、持つ人で -2.52kg、持たない人で -1.89kg で、統計的な差はありませんでした。

Miyaki らの研究からは、型そのものより、食べる量との組み合わせが関わっている可能性が読み取れます。

米国の成人609人を対象にした無作為化試験(Gardner ら、JAMA 2018年)もあります。低脂肪食と低炭水化物食のどちらが合うかを PPARG、ADRB2、FABP2 の3つの遺伝子の型で分けても、12か月の体重の変化に差は出ていません。この試験は ADRB3 を調べていません。

結果レポートでの使い方

結果レポートの「検査結果」の章では、糖質での太りやすさの危険度ごとに、糖質の代謝と体脂肪の関係を説明しています。危険度1の人にも、糖質のとりすぎには気をつけるよう書いてあります。

糖質が危険度3で脂質が危険度1か2の人の場合、「栄養の知識」の章の PFC バランスでは、糖質は1日のエネルギーの20%程度です。1日2,000kcal なら、糖質は100gが目安です。

糖質の多くは、ごはん、パン、麺などの主食からとります。dNAXY neo の料理の辞書では、主な主食の1人分は次の値です。

料理 カロリー 炭水化物
ごはん 234kcal 55.7g
麦ごはん 215kcal 51.4g
トースト 149kcal 27.8g
ざるそば 318kcal 63.7g

糖質と脂質のどちらを先に控えるかで迷ったときは、ADRB3 の危険度を1つの目安にできます。脂質の項目に使う遺伝子は「UCP1 遺伝子とは?熱をつくるたんぱく質のはたらき」で説明しています。

ADRB3 の型を調べるには

dNAXY neo の検査では、綿棒で頬の内側をこすって送ると、検体の到着から約2週間で3つの遺伝子の結果レポートがマイページに届きます。

ダイエット遺伝子検査+30日プログラムの価格は9,350円(税込・送料込み)です。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定も使えます。結果レポートの一例は「結果レポートのサンプル」で見られます。

出典

ダイエット遺伝子検査+30日プログラム

9,350円(税込・送料込み)

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