トップ 読みもの 遺伝子 肥満に関わる遺伝子 倹約遺伝子 倹約遺伝子とは? 飢えに 備える 仮説の 中身と 今の 考え方 2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹 )
倹約遺伝子とは、 食べ物が 少ない 時代には エネルギーを ためやすい 遺伝子が 生き残りに 有利だった、と いう 仮説から 生まれた 言葉です。 この 仮説には 反論も あり、 倹約遺伝子は 決まった 1つの 遺伝子を 指す名前ではありません。
ダイエットの 遺伝子検査の 説明では、 ADRB3 や UCP1 の 型が 倹約遺伝子と 呼ばれる ことがあります。 この 記事では、 仮説の 中身と 反論、 遺伝子の 研究で 言える 範囲を 順に 説明します。
1962年に 出された 仮説
倹約遺伝子の 考え方の 始まりは、 米国の 遺伝学者 Neel が 1962年に American Journal of Human Genetics 誌に 出した 論文です。 糖尿病が 増えた 理由を 考える 論文で、 題名では 「倹約」型の 遺伝子型 (thrifty genotype)が 「進歩」に よって 不利に なったのではないか、と 問いかけています。
英国の Speakman (2008年)の 論文は、 Neel の 仮説を 次のように まとめています。 人類の 歴史の 早い 時期には、 脂肪を 効率よく ためる 遺伝子を 持つ人が 飢えの 時期を 生き 延びやすく、 こうした 遺伝子が 広がった。 食べ物の 多い 今の 社会では、 来ない 飢えに 備えて 脂肪を ため続けるので、 肥満が 広がった。
食べ物が 足りない 時期と 足りる 時期を くり返す 暮らしでは、 ためる 力が 役に 立ちます。 同じ力が、 いつでも 食べられる 暮らしでは 体重の 増えやすさと して 表に 出る、と いう 筋立てです。
仮説への 反論
この 仮説の 前提を 疑う 研究者も います。 Speakman は 2008年の 論文の 題名で、 倹約遺伝子を 「魅力的だが 欠陥の ある 考え」と 呼びました。
疑問の 中心は、 飢えの 時期に 太った 人と 太っていない 人で 生き残る 割合に 差が あったとしても、 遺伝子が 集団に 広がる ほどの 力に なったのか、と いう 点です。 これには、 飢えの 時期は 子どもの 生まれる 数が 減り、 太った 人の ほうが 減りに くいはずだ、と いう 反論が ありました。 Speakman は、 飢えの あとには 子どもの 生まれる 数が 増える 時期が 来るので、 その 差は 打ち消されると 論じています。
Speakman が 代わりに 示したのが 「drifty gene」 仮説です。 肥満に なりやすい 遺伝子は、 選び残す力がは たらかないまま、 偶然の 変動 (遺伝的 浮動)で 一部の 人に 広がった、と いう 考え方です。
どちらの 仮説も、 遠い昔の 暮らしから 今の 遺伝子を 説明しようと しています。 倹約遺伝子と いう 言葉も、 仮説の 中で 使われる 言葉と して 読んでください。
決まった 1つの 遺伝子の 名前ではない
倹約遺伝子は、 エネルギーを ためやすく すると 考えられた 遺伝子の 型を まとめた 呼び方です。 Groop (1999年)の 総説は、 倹約遺伝子の 候補と して、 脂肪の 分解を 調節する 遺伝子や、 β3アドレナリン 受容体 (ADRB3)の 遺伝子などを 挙げています。
dNAXY neo の 結果レポートの 「遺伝子検査に ついて」の 章でも、 肥満遺伝子は 倹約遺伝子とも 言われ、 これまでに 50を 超える 肥満関連遺伝子が 見つかっていると 説明しています。 今回の 検査で 調べるのは、 その 中の ADRB3、 ADRB2、 UCP1 の 3つです。
ADRB3 と UCP1 が 倹約遺伝子と 呼ばれる 理由
ADRB3 は 脂肪の 分解や 熱を 作る 合図を 受け取る 受容体の 遺伝子で、 UCP1 は 褐色脂肪細胞で 熱を 作る たんぱく質の 遺伝子です。 どちらも、 体が エネルギーを 使う しくみに 関わります。 はたらきが 弱い型では 使う エネルギーが 少なく、 ためやすいと 考えられた ため、 倹約遺伝子と 呼ばれてきました。 UCP1 の 呼ばれ方は 「 UCP1 が 倹約遺伝子と 呼ばれる 理由 」で 詳しく 説明しています。
dNAXY neo の 「 検査結果の 根拠 」の ページに 載せた 日本人の 研究では、 2つの 遺伝子の 型と 体重の 関連は 次の とおりです。
遺伝子
研究で わかっている こと
ADRB3
日本人6,582人を まとめた 解析で、 型を 持つ人の BMI が 平均 0.26 kg/m² 高かった。 減量の 研究は 結果が 分かれている
UCP1
日本人女性312人の 研究で、 閉経前の 女性に 限って BMI と 4年間の 体重の 増え方が 大きかった。 若い 男性349人の 研究では BMI との 関連は 見られなかった
関連は 見られていますが、 差は 小さく、 条件に よって 見えたり 見えなかったりします。 これらの 研究は 今の 日本人の 型と 体重を 調べた もので、 飢えの 時代に その 型が 有利だったかを 確かめた ものではありません。 日本人で 型を 持つ人の 割合は 「 日本人は 倹約遺伝子が 多い? 」、 ダイエットとの 関係は 「 倹約遺伝子が あると ダイエットは 不利? 」に まとめています。
型を 知って、 食事の 目安に 使う
dNAXY neo の 結果レポートでは、 ADRB3 の 型を 「糖質での 太りやすさ」、 UCP1 の 型を 「脂質での 太りやすさ」と して、 危険度1〜3で 示します。 危険度が 上がる ほど、 その 栄養素の 食事の 目安は 「いつも どおり」から 「やや ひかえめ」 「ひかえめ」へ 変わる 仕組みです。 結果は、 倹約遺伝子を 持つかどうかより、 糖質と 脂質の どちらから 控えるかを 決める 目安に 使えます。
検査は 綿棒で 頬の 内側を こすって 送る 方式で、 価格は 9,350円 (税込・ 送料込み)です。 検体の 到着から 約2週間で、 3つの 遺伝子の 結果レポートが 開けます。 結果が 出た 日から 30日間は、 遺伝子タイプに 合わせた 1週間の 献立と 食事の 判定も 使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部 (株式会社tatepass)
担当ペルソナ: 佐々 木 英樹 (遺伝子検査)
遺伝子と 遺伝子検査の 記事を 担当します。 検査で わかる ことと わからない ことを 分けて、 根拠の 研究と あわせて 説明します。
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