ADRB2 の Arg16Gly と肥満:日本人4,193人の研究の結果
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
日本人4,193人の研究では、ADRB2 の Arg16Gly という型だけを見たとき、BMI や肥満との関連は見られませんでした。日本人男性210人の研究でも関連はなく、関連が報告されたのは ADRB3、UCP1 の型と組み合わせて調べた研究です。
dNAXY neo は、この3つの研究を「検査結果の根拠」のページに載せています。この記事では、それぞれの研究が何をどう調べたかを、PubMed の抄録で確かめた範囲で説明します。遺伝子そのものの働きは「ADRB2(β2アドレナリン受容体)遺伝子とは?肥満との関係」で扱っています。
4,193人の研究:3つの物差しのどれでも関連なし
Pereira ら(2011年)は、糖尿病のない中高年の日本人4,193人を調べました。内訳は女性1,911人、男性2,282人で、男女を分けて解析しています。
調べた型は、ADRB2 の Arg16Gly と、同じ遺伝子の Gln27Glu、さらにレプチン受容体(LEPR)の遺伝子の Gln223Arg です。肥満の物差しは次の3つでした。
| 物差し |
位置づけ |
ADRB2 の型だけで見た結果 |
| BMI 25以上になるか |
主な評価項目 |
統計的に意味のある関連なし |
| BMI 27以上になるか |
副次的な評価項目 |
統計的に意味のある関連なし |
| BMI の値そのもの |
副次的な評価項目 |
統計的に意味のある関連なし |
抄録によると、男女のどちらで見ても、どの物差しで見ても、ADRB2 の型の単独の影響は見られませんでした。ADRB2 の2つの型を並びのセットとしてまとめた解析(ハプロタイプ解析)でも、BMI との関連は出ていません。
関連が見られたのは、ADRB2 と LEPR の型の組み合わせです。BMI の値と、BMI 27以上になる割合で関連があり、どちらも男性でだけ見られました。著者らは、この組み合わせの影響は、以前の報告より小さい可能性があると書いています。
男性210人の研究:Arg16Gly も Gln27Glu も関連なし
Hayakawa ら(2000年)の研究のきっかけは、スウェーデンの研究です。その研究では、ADRB2 の Gln27Glu が肥満と関連し、Arg16Gly は関連していませんでした。そこで日本人男性210人で、2つの型を調べ直しています。
2つの型の頻度は、Gln27Glu が0.05、Arg16Gly が0.48でした。日本人男性では、Gln27Glu はまれな型で、Arg16Gly はよく見られる型です。2つの型は一緒に受け継がれやすい関係(強い連鎖不平衡)にありましたが、2つを合わせても体の測定値や血液の値への上乗せの影響は見られませんでした。
著者らは、この2つの型は日本人男性の肥満の主な要因ではないと結論しています。
組み合わせで関連が見られた222人の研究
Tsunekawa ら(2011年)は、血圧、脂質、血糖の薬を飲んでいない日本人222人を調べました。ADRB3 の Trp64Arg、ADRB2 の Arg16Gly、UCP1 の -3826A>G の3つの型を組み合わせて、体の特徴との関係を見ています。
3つの遺伝子で関連するとされる並びを4〜5個持つ人は、0〜3個の人よりウエストとヒップの比が高い結果でした。著者らは、3つの型の組み合わせと内臓脂肪のたまり方の関係として報告しています。ADRB2 の型だけを取り出した結果ではない点に注意が必要です。
3つの研究から言えること
3つを並べると、ADRB2 の型を単独で見た日本人の研究は、2つとも関連を認めていません。根拠のページの要約は「日本人を対象にした大規模な研究では、この型だけでは肥満との関連が認められていません。他の遺伝子の型と組み合わせたときの関連が報告されています。3つの中では、根拠が最も弱い項目です。」です。
関連が報告された2つの解析は、どちらも組み合わせを調べたものでした。4,193人の研究の LEPR との組み合わせは男性だけ、222人の研究の3つの型の組み合わせはウエストとヒップの比だけで見られました。
結果レポートでの扱い
dNAXY neo の結果レポートでは、ADRB2 の型を「筋肉の付きにくさ」の項目に使い、危険度1〜3で出します。食事の目安は、危険度1が「しっかりとる」、危険度2と3が「多めにとる」です。1日のたんぱく質は、危険度1で体重×1.5〜1.75g、危険度2で1.75〜2g、危険度3で2〜2.5gを目安にしています。
上の研究のとおり、この項目は肥満との関連がはっきりしない遺伝子から出しています。研究の範囲で使うなら、この項目は毎日のたんぱく質の量を見直すきっかけです。
検査を受けるには
dNAXY neo の検査では、ADRB2 を含む3つの遺伝子を調べます。綿棒で頬の内側をこすって送ると、検体の到着から約2週間でマイページに結果レポートが届きます。
ダイエット遺伝子検査+30日プログラムの価格は9,350円(税込・送料込み)です。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定が使えます。結果レポートの一例は「結果レポートのサンプル」で見られます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
ダイエット遺伝子検査+30日プログラム
9,350円(税込・送料込み)
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