褐色脂肪細胞とは?どこにあるか、UCP1 とのつながり
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
褐色脂肪細胞は、UCP1 というたんぱく質のはたらきで、脂肪などから得たエネルギーを熱に変える脂肪細胞です。大人では首から鎖骨のまわりや背骨のまわりなどにあり、量やはたらきには個人差があって、年齢とともに減ると報告されています。
この記事では、白色脂肪細胞との違い、体のどこにあるか、量の個人差、遺伝子の UCP1 とのつながりを、PubMed で確かめた研究をもとに説明します。
白色脂肪細胞との違い
脂肪細胞のうち、白色脂肪細胞は、余ったエネルギーを中性脂肪としてためる細胞です。お腹や太もも、内臓のまわりにつく体脂肪の多くは、こちらにたまっています。
褐色脂肪細胞は、ためるより使う側の細胞です。細胞の中のミトコンドリアに UCP1 があり、本来なら ATP という形で取り出すエネルギーを、熱として出します。寒いときにふるえずに体温を保つ熱の一部は、このしくみで作られます。UCP1 のはたらきの詳しい説明は「UCP1 遺伝子とは?熱をつくるたんぱく質のはたらき」にあります。
大人の体のどこにあるか
褐色脂肪は、赤ちゃんでは熱を作ってエネルギーの使い方を調節していることが知られていました。大人ではほとんど役目がないと長く考えられてきましたが、2009年に米国と日本の研究グループが、PET-CT という画像の検査で大人にもはたらく褐色脂肪があると報告しています。
米国の Cypess ら(2009年)は、別の目的で撮った PET-CT の画像を調べ、首の前から胸にかけての部分に褐色脂肪を見つけています。首と鎖骨の上の部分から取った組織では、UCP1 を持つ細胞が確かめられました。日本の Saito ら(2009年)の研究で、寒い部屋で過ごしたあとに褐色脂肪が見つかったのは、鎖骨の上と背骨のまわりです。
dNAXY neo の結果レポートの「検査結果」の章では、褐色脂肪細胞のある場所を、脇の下、首、肩甲骨、心臓のまわり、腎臓のまわりの5か所と説明しています。
量とはたらきには個人差がある
褐色脂肪は、だれでも同じだけ見つかるわけではありません。Cypess らの研究で褐色脂肪がはっきり写っていたのは、女性1,013人のうち76人(7.5%)、男性959人のうち30人(3.1%)でした。女性のほうが見つかる割合が高く、量も多い結果です。
見つかる割合は、撮影したときの外の気温が低いほど高く、年齢が高いほど低い傾向でした。年齢の高い人では、BMI が高い人ほど見つかりにくい結果も出ています。Saito らの研究でも、寒さで活発になる褐色脂肪のはたらきは、夏より冬に高い傾向でした。
年齢とともに減る
日本の Yoneshiro ら(2011年)は、20〜73歳の健康な162人に、薄着で19℃の部屋に2時間いてもらってから PET-CT で調べました。寒さで活発になった褐色脂肪が見つかったのは、全体の41%です。
| 年代 |
褐色脂肪が見つかった人の割合 |
| 20代 |
50%を超えた |
| 50代、60代 |
10%に満たなかった |
褐色脂肪が見つかった人は、見つからなかった人より若く、BMI、体脂肪、お腹の脂肪が少ない結果でした。見つからなかった人では、年齢とともに体脂肪が多くなる傾向がありました。研究者は、褐色脂肪のはたらきが落ちることが、年齢とともに体脂肪がたまることに関わっている可能性がある、と考察しています。
ここで示されたのは、褐色脂肪と体脂肪が一緒に見られたという関連です。褐色脂肪の量だけで体型が決まると確かめた研究ではありません。寒さなどで褐色脂肪のはたらきを高められるかは「褐色脂肪細胞を増やす方法はある?」で扱っています。
遺伝子の UCP1 とのつながり
褐色脂肪細胞の中で熱を作るたんぱく質を作っているのが、UCP1 遺伝子です。UCP1 遺伝子には -3826A>G という型の違いがあり、dNAXY neo の検査ではこの型を調べています。
dNAXY neo の「検査結果の根拠」のページに載せた UCP1 の3つの研究は、BMI、体重の増え方、減量の幅と型の関係を調べたものです。どれも褐色脂肪の量を画像で測ってはいません。日本人女性312人の研究では、型を持つ閉経前の女性で BMI と4年間の体重の増え方が大きく、若い男性349人の研究では BMI との関連が見られませんでした。研究の数字は「UCP1 遺伝子の多型(-3826A>G)と体重」で紹介しています。
結果レポートでの「脂質での太りやすさ」
結果レポートで UCP1 の型を示すのは「脂質での太りやすさ」の項目で、危険度は1〜3です。「検査結果」の章の「脂肪細胞と燃焼について」では、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の違いを説明したうえで、危険度が高い人は UCP1 がうまくはたらかず、脂肪を燃やす効率が下がりやすい体質だと書いています。
脂質の食事の目安は、危険度1が「いつもどおり」、危険度2が「ややひかえめ」、危険度3が「ひかえめ」です。目安を1日の量に直した値は「UCP1 遺伝子とダイエット:脂質の項目と結果レポートでの扱い」で説明しています。
dNAXY neo の検査は、綿棒で頬の内側をこすって送る方式で、価格は9,350円(税込・送料込み)です。検体の到着から約2週間で、UCP1 を含む3つの遺伝子の結果レポートが開けます。結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定も使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
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