遺伝子検査の精度とは?遺伝子を読む正確さと結果の意味
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
遺伝子の並びを読む正確さは、検査機関の解析の方法と、その正しさを確かめる精度管理で決まります。検体の状態が悪くて並びを読めないときは、結果を出さずに同じ検体でもう一度検査します。
ただし、並びを正しく読めることと、その並びから体重の増え方を言い当てられることは別の話です。この記事では、「精度」という言葉に含まれる2つの意味を分けて説明します。
精度には2つの意味がある
米国国立医学図書館の MedlinePlus による、遺伝子検査の確かさの分け方は次のとおりです。
| 用語 |
MedlinePlus の説明 |
ダイエットの遺伝子検査に置き換えると |
| 分析的妥当性 |
遺伝子やその違いがあるかどうかを、検査がどれだけ正しく示すか |
3つの遺伝子の並びを正しく読めるか |
| 臨床的妥当性 |
調べた遺伝子の違いが、病気の有無やリスクとどれだけ関係するか |
読んだ並びが、体重や BMI とどれだけ関係するか |
MedlinePlus は、米国の検査室の基準(CLIA)が扱うのは1つ目の分析的妥当性で、2つ目の臨床的妥当性は扱わないと説明しています。読む正確さは検査室の仕事で確かめ、体質との関係は研究で確かめる、という分担です。
並びを読む正確さは、精度管理で確かめる
経済産業省の「遺伝子検査ビジネス実施事業者の遵守事項」は、検査を行う施設に、検査の工程ごとの標準作業手順書と、検査や精度管理の記録を作ることを求めています。別紙の「品質保証の仕組み」に挙がっている主な項目は次のとおりです。
| 工程 |
遵守事項に挙がっている対策 |
| 検体の受け付け |
取り違えを防ぐため、二重に照合する |
| 検査の実施 |
ほかの DNA が混ざらないようにする(コンタミネーションの防止) |
| 結果の解析 |
判定の基準と、異常な値が出たときの扱いを決めておく |
| 全体 |
内部で定期的に精度を確かめる。外部の精度管理の調査に参加することが望ましい |
手順書に書く項目には、異常な値を示した検体の扱い方として、再検査をする基準も含まれています。読み取りの正確さは、こうした手順を守って作業し、記録を残すことで確かめられるものです。
検体の状態が悪いときは、結果を出さない
読む正確さには、検体の状態も関わります。dNAXY neo の「検査の説明と同意事項」には、判定できないことがある場合を多い順に載せています。
| 判定できない場合 |
防ぎ方 |
| 検体の量が少ない |
頬の内側をしっかりこする |
| カビが生えた、腐敗した |
どこにも当たらないようにして、よく乾かしてから返送する |
| 食べかすが付いている |
食事の後を避け、口をすすいでから採る |
| 人以外(ペットなど)の検体 |
検査できない |
このようなときに無理に結果は出さず、まず同じ検体でもう一度検査するのが dNAXY neo の扱いです。この再検査は1回まで無料です。それでも判定できなかった場合は、新しいキットでの検査を4,500円(送料・税込)でお受けします。
当社の側でも、検査機関から届いた並びが、遺伝子ごとに決まった3通りの組み合わせのどれにも当たらないときは、危険度を決めず、結果を出しません。手順の詳しい流れは「判定できなかったときの再検査:同じ検体と新しいキット」で説明しています。
正しく読めても、体重を言い当てるわけではない
2つ目の臨床的妥当性は、研究で確かめる部分です。dNAXY neo の「検査結果の根拠」のページには、3つの遺伝子について日本人を対象にした11本の研究を、関連を認めなかったものも含めて載せています。
いちばん規模が大きいのは、日本人6,582人をまとめた ADRB3 の解析(Kurokawa ら、2001年)で、Trp64Arg という型を持つ人の BMI は平均 0.26 kg/m² 高い結果でした。一方、ADRB2 の Arg16Gly は日本人4,193人の研究(Pereira ら、2011年)で、この型だけでは肥満との関連が見られていません。
読み取りの正確さをいくら上げても、この関係の強さは変わりません。研究で見られたのは集団で平均したときの小さな差で、一人ひとりの体重を言い当てるものではありません。「当たる」の考え方は「ダイエットの遺伝子検査は当たる?「当たる」の意味を分けて考える」で詳しく扱っています。
精度の2つの意味をふまえた結果の使い方
dNAXY neo の結果レポートは、読んだ並びを糖質、脂質、たんぱく質(筋肉)の項目ごとの危険度1〜3に置き換えたものです。糖質と脂質のどちらを先に控えるかで迷ったときの目安として使ってください。たんぱく質の1日の目安は、危険度ごとに体重×1.5〜2.5gの範囲で載っています。
検査の価格は9,350円(税込・送料込み)で、結果は検体の到着から約2週間で出ます。結果が出た日から30日間使えるのは、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定です。結果レポートの一例は「結果レポートのサンプル」で見られます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
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