ゲノム医療法とは?遺伝情報による差別を防ぐ決まりをわかりやすく
2026年10月7日
文責: dNAXY neo 編集部(担当ペルソナ: 佐々木 英樹)
ゲノム医療法は、2023年6月に成立した、ゲノム医療を進めるための国の施策を定めた法律です。ゲノム情報による不当な差別が行われないようにすることも、基本理念と国の施策に含まれています。
医療以外の目的で行われる遺伝子の解析も、国が質の確保や差別への対応の施策を講じる対象です。この記事では、法律の中身と、ダイエットの遺伝子検査を受ける人にかかわるところを説明します。
正式な名前と成立の日
| 項目 |
中身 |
| 正式な名前 |
良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律 |
| 法律の番号 |
令和5年法律第57号 |
| 成立 |
2023年6月9日(参議院の本会議で可決) |
| 公布と施行 |
2023年6月16日 |
名前が長いため、「ゲノム医療法」や「ゲノム医療推進法」と略して呼ばれます。厚生労働省のページの書き方は「ゲノム医療推進法」です。衆議院の厚生労働委員会が案を出した、議員立法です。
法律に書かれていること
第2条は、ゲノム情報を、人の細胞の核酸を構成する塩基の配列やその特性、核酸の機能の発揮の特性に関する情報と定めています。
第3条には、基本理念が3つ並びます。そのうち第3号に書かれているのが、ゲノム情報の性質と、守る中身です。生まれながらに固有で子孫に受け継がれ得る個人のゲノム情報には、その人だけでなく家族についても、将来の健康状態を予測し得るといった特性がある。そのため、ゲノム情報の保護が十分に図られるようにし、ゲノム情報による不当な差別が行われることのないようにする、という内容です。
この理念を受けて、第15条はゲノム情報の適正な取扱いの確保を、第16条は差別等への適切な対応の確保を、国の施策として定めています。第8条では、政府に基本計画を作ることを求めています。
法律が定めているのは、国と地方公共団体の責務と、国が講じる施策です。差別をした人や会社に罰則を科す規定はありません。
医療以外の遺伝子の解析にも触れている
第17条は、医療以外の目的で行われる個人の細胞の核酸の解析も対象にしています。国は、その解析が科学的な知見に基づいて行われるよう質の確保を図り、解析のサービスを受ける人への相談支援の施策を講じる、という条文です。同じ条の第2項で、生命倫理への配慮、ゲノム情報の適正な取扱い、差別等への対応も、医療以外の解析について確保するとしています。
ダイエットの遺伝子検査は、医療以外の目的で行われる解析です。条文には、検査の事業者の義務を定めた規定はありません。それでも、国が施策を講じる範囲にはダイエットの検査も入ります。
2025年の基本計画
政府は2025年11月21日に、法律の第8条に基づく「ゲノム医療施策に関する基本的な計画」を閣議決定しました。計画は、医療以外の目的で行われる遺伝子関連検査の現状にも触れています。医療機関を介さず、民間企業が消費者に直接売る遺伝子検査のサービスは、複数あるとされています。計画が紹介している指摘は、医業に当たらない領域の遺伝子関連検査には規制がなく、検査の信頼性に問題があっても行政が関わりにくい、というものです。事業者が守る事項として挙がっているのは、経済産業省のガイドラインと遵守事項です。遵守事項の中身は「遺伝子検査ビジネスの国の決まり:経済産業省の遵守事項」で説明しています。
そのうえで計画は、検査を受ける人が自分の意思で受けることが大事で、ほかの人に強いられることはあってはならない、と書いています。未成年者などに実施するときは、慎重に考える必要があるという立場です。
差別については、労働の分野と保険の分野でまとめた対応を周知すると計画に書かれています。どちらも、2008年にアメリカで成立した法律とあわせて「遺伝子差別を禁じる法律:アメリカの例と日本の取り組み」で紹介しました。保険の分野の扱いは「遺伝子検査の結果で保険に入れない?知っておきたいこと」で説明しています。
dNAXY neo の検査で調べることと、情報の扱い
dNAXY neo の検査で調べるのは、肥満に関連するとされる3つの遺伝子(ADRB3、UCP1、ADRB2)の型です。「検査の説明と同意事項」には、この検査が医学的な判断ではないことを書いています。受けられるのは18歳以上の方で、同意書は検査を受ける本人が記入します。
情報の扱いを定めているのは「プライバシーポリシー」です。遺伝情報はこの検査以外の目的に使わず、法令に基づく場合を除き、本人の同意なく第三者に提供しません。ゲノム医療法の基本理念にある、ゲノム情報の保護と同じ方向の決まりです。
dNAXY neo の検査の価格は9,350円(税込・送料込み)です。検体の到着から約2週間で結果レポートが開け、結果が出た日から30日間は、遺伝子タイプに合わせた1週間の献立と食事の判定を使えます。
出典
文責
dNAXY neo 編集部(株式会社tatepass)

担当ペルソナ: 佐々木 英樹(遺伝子検査)
遺伝子と遺伝子検査の記事を担当します。検査でわかることとわからないことを分けて、根拠の研究とあわせて説明します。
担当ペルソナについて
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